Feature articles

【Vol.037】 September.18.2026
本橋テープのはたらく人たち 第9話
『最適解を手繰り寄せ、
答えを見つけるのが面白い』

本橋テープのはたらく人たち第9話は、勤続14年の中堅社員、遠藤和之さん(38)。入社以来、製造部で製織を担当してきましたが、染色チームの発足に伴い染色メンバーに選出され、現在は製織と染色の両方に携わっています。

「テープの染色ができるメーカーは、実は全国でもごくわずか。業界全体における技術継承という意味も含め、本橋テープでも自社染色ができる体制をつくろうと、2025年5月に片岡工場に染色機を導入、同年7月に染色チームを発足しました。私はそれ以前の1年半の期間、県内の染色メーカーさんで染色の勉強をさせていただきました」と遠藤さん。

今回は、染色という新しい仕事に果敢にチャレンジする遠藤さんに注目し、染色の難しさや面白さ、新しい仲間への期待などについて語ってもらいました。

染色の複雑なメカニズム

染色の仕事がイメージしやすくなるよう、はじめに「染色機の構造」と「染色の工程」を簡単に紹介します。

【染色機の構造】
染色機は次の4つのブロックで構成されています。
1. テープに染料等を付着させる「染色」
2. 染料等を染み込ませる「スチーム」
3. 余分な染料や汚れを水で落とす「水洗」
4. 湿ったテープを温風で乾かす「乾燥」

【染色の工程】
1.テープを染色機にセットする
2.染料を調合する
3.染色機を設定し、稼働させる
4.仕上がりを確認し、テープを巻く

まずば、全長約15mの染色機に、250mにつなぎ合わせたテープをセッティング。その後、目的の色に合わせて複数の染料を調合する工程へと進みます。

「片岡工場では、染色性に優れたナイロンテープを、需要の高い黒に染色しています。ひと口に黒と言っても、赤みが強かったり黄みが強かったりとさまざまで、お客様ごとに希望の色味が異なります。そのため、調合もグラム単位で行っています」

調合後は、染料がテープにしっかりと定着するよう、同じテープを2回機械に通します。1回目は染料を染み込ませ、2回目は染料を定着させるFIX剤を投入して仕上げる流れです。

「機械設定で難しいところは、温度、張力(テンション)、スピードの設定です。これらはテープの種類や湿度などによって最適解が変わるため、微妙な設定が求められます。特にテンションは、目視と手の感覚による判断が欠かせません」

状況に応じておもりで微調整するなど、アナログな作業も多いと語ります。最後に、染め上がりにムラがないか、テープにヨレがないかなどの仕上がりを厳しくチェックします。

「特に厚みのあるテープの場合、テンションが少し弱いだけでもシワが生まれ、不良品となってしまいます。では、厚みに対する最適解が分かれば解決するかというと、そうでもない。湿度が高い日はテープが水分を含んで重くなり、適したテンションも変化します。さらに、ナイロンの糸の種類や組織(織り方)によってもかかる力の具合が変わるため、その見極めも必要です」

実験を繰り返し、答えを見つける面白さ

染色は外的要因の影響が大きいため、マニュアル通りに行っても、狙った色を出すことはできません。だからこそ、人の手で「試しては評価する」プロセスを積み重ねています。

「染料の調合も試行錯誤の連続です。テープによって色の入り方が変わるため、まさに実験を繰り返している感覚なんです。苦労は多いですが、今自分たちがやっていることは、これから長く続く本橋テープの染色技術の礎になると信じています。実験を繰り返し、答えを見つける作業で得られる喜びや面白さは、今だからこそ味わえる特別な経験だと感じています」

1日100反ものテープを染め上げる日もあるなかで、思い通りの品質で完成したときの達成感は格別なもの。さらなる高みを目指し、染色チームの挑戦は続きます。

あなたの情熱を染色へ

現在、染色チームには3名が在籍。黒以外の染色も行えるよう、2台目の染色機の導入も視野に入れています。それまでに、染色チームの充実を図るのが目下の目標です。

「ものづくりに携わりたい、新しいことにチャレンジしたいという気概のある方を、新しい仲間にお迎えしたいと考えています。製造業の経験のある方は機械操作や工場環境への適応が早いと思いますが、それはマストではありません。これまでお話ししてきた通り、今は試行錯誤の最中です。あきらめずに挑戦できること。ここが一番大事な要素かなと思っています」

テープの種類によって染色技術は異なるため、入社後は製織チームでテープに触れることからスタートします。遠藤さんも、長年の製織経験が染色に生かされています。

会社見学、工場見学も随時受け入れています。少しでも興味を持ってくださった方は、ぜひお問い合わせください。お待ちしています。