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【Vol.024】 January.17.2024
「サンセットクライマックス」が本橋テープを選ぶ理由
# with MOTOHASHI TAPE
どのブランドのどんなプロダクトに本橋テープが使われているのか?ということは、これまで弊社からあまりご紹介したことがありませんでした。そこで私たちは、取引メーカーさんのもとを訪れ、本橋テープがどんな役割をになっているかを探る新企画「#with MOTOHASHI TAPE」をスタートします。
今回ご協力いただいたのは、スタイリッシュなキャンプ用品を展開している「サンセットクライマックス」さん。今回はブランドの代表で製品デザインを担当する浦田孝典さんにお話を伺うため、東京・江戸川区のオフィスにやってきました。

自然に映える白いタープができるまで

金属加工の町工場が立ち並ぶ一角に、突然現れるスタイリッシュな空間。1階が「サンセットクライマックス」のショールーム、2階が浦田さんのデザイン事務所となっています。

2014年に設立されたサンセットクライマックスは、浦田さんと2人の友人が、副業的にはじめたキャンプ用品のガレージブランド。現在もそれぞれがメインの仕事を持ちながら、自分たちが作りたいアイテムを作っているといいます。

そんなサンセットクライマックスといえば、白い生地を使ったタープを打ち出し、キャンプ業界にセンセーションを巻き起こしたブランドとしても知られています。

「仲間たちとブランドをはじめようという話になったとき、真っ先に思いついた商品がタープでした。最初から白いタープにしようとは思っていたわけではないのですが、偶然この白い透湿防水の生地と出会ったこともあり、これが誕生したんです。その白い生地って自然にも意外と映えるし、明るいけどUVもカットしてくれて、涼しく感じられる……と、機能性もちゃんと確保されているし、当時白いタープなんてなかったので、差別化する意味でもこれはイケるかなと思ったんです」。と浦田さん。

サンセットクライマックスをはじめるにあたって掲げたコンセプトは『優雅なキャンプを楽しむための道具』。いわゆる泥臭いアウトドアの雰囲気ではなく、洗練されたキャンプギア作りを目指していたこともあり、その白いタープはブランドのアイコン的存在に。

発売から約10年の歳月の間、少しずつアップデートを経ながら、変わらぬフラッグシップとして存在し続けています。

「Tarp 01」は、想定使用人数3〜4名のヘキサタープ。防水フィルムをラミネートした白いリサイクルファブリックに、本橋テープ製の赤いポリエステルテープの縁取りが映えます。

初っ端からこんなにも完成度の高い製品をリリースしたサンセットクライマックスですが、実は浦田さんをはじめ、創設メンバーはキャンプには精通していたものの、ギア製造に関してはまったくの素人。このタープを作り上げるのも、素材の調達やパターン、生産工場の確保まで0からのスタートだったそうです。

「タープを作るにあたって、先に生地調達の算段はついていたのですが、生地を縁取るテープやグロメット、ロープなど、各パーツごとにメーカーを探す必要がありました。当時は繊維の組合に連絡したり、ネットも駆使して、サンプルを取り寄せては検討をする日々でした」

本橋テープとの出会い

そんなリサーチを経て浦田さんがたどり着いたメーカーの一つが、本橋テープだったといいます。

「はじめは有名なブランドでも使われているという安心感から本橋テープを検討しはじめたのですが、実際手に取ると品質も良くて、バリエーションも豊富だったので、ここしか無いなと確信しました。特に私たちが気に入ったのは質感。タープの縁取りに使うテープを求めて本橋さんのナイロンテープのサンプルをみたのですが、その光沢感と鮮やかな発色が上質で、白いタープを縁取る赤いテープのイメージにピッタリだったんです」

以来、サンセットクライマックスと本橋テープは10年来のお付き合いに。現在ではタープのみならず、テントやバッグなど、さまざまなアイテムでテープが採用されています。

「一般的にアウトドア用品では、ポリエステル素材のテープが使われることが多い。ですが私たちのブランドでは、ツヤがあって上質な雰囲気に仕上げるために、あえてナイロン素材のテープを使用しているんです」

「一つの製品の中でも、例えばバッグの取手はしなやかで肌触り滑らかな『流(厚)』、擦れやすいバッグの縁取りは『1.0×2.0N』というように、それぞれのパーツに適した編み方や太さ、硬さを選んでいます。また、ポールをしまうケースの縁取りはタープの縁と同じテープを使うなど、使うテープのタイプを絞ることで、実はブランドとしての統一感も出していたりします」

細部へのこだわり

独創的なアーチ型を持つ新作テント「Cell 01」。ブランドのお家芸とも言える美しいファブリックのくびれ、ピンとした張り具合も、本橋テープ製のガイロープが支えています。

最近、サンセットクライマックスでは、いわゆる細幅テープだけでなく、ガイロープにも特注品を使用していただいています。

「それまで取引していた東京のロープ屋さんが工場を閉めてしまうというので、本橋テープにバトンタッチする形で、今後の生産分は順次切り替えていくことになりました。ガイロープも、人によっては張れればなんでも良いのかもしれませんが、デザインや太さ、硬さによって、タープの張り具合や形状に影響するんですよね」

「本橋テープにはタフコードという優れた製品もあって、うちでもバッグやテントなどに使っているのですが、ガイロープに関してはもっと度詰めで硬いものを特別に編んでいただいてます。ロープのパターンも独自で、メインの色にポイントで白を入れたり、ゴールドを入れたり。なんとなく和の雰囲気を落とし込んでいます」

ショールームを見渡すと、試作品を作ったものの製品化してないというモノもちらほら。

「うーん。なんとなく製品にしていないでそのままにしちゃってるモノも多いんですよね。うちのブランドは、割とそのときの気分で作ることが多いので。とりあえず2024年は、本橋テープを搭載した新作のバックシリーズと、タープも登場予定。機会があったらサンセットクライマックスの製品を見て、触れていただければと思います!」

sunsetclimax