伸縮するテープの開発に成功しました!
本橋テープでは、2021年冬から新しいテープの開発に取り組んできました。挑戦したのは、「伸縮性があり、かつ厚みと硬さのあるテープ」の製品化です。 一度は断念するなど紆余曲折を経て、今秋、ついに製品化に成功!品名は「ストレッチベルト」です。今回は、このストレッチベルトが完成するまでの軌跡と特徴についてご紹介します。
開発のきっかけは、“伸び縮みして厚みのあるテープをつくれないか”という問屋さんからのオーダーでした。サンプルで受け取ったのは海外製の作業用ベルト。中にゴム糸が織り込まれていて、国内ではあまり見られないほどの厚みがありました。
「テープを織るときは、まずテープの組織を考えます。サンプルの組織をばらしたとき、これまで見たことのない動きをしていました。自分たちなりに組織を考えて試作してみましたが、まったく形にならず…。こんなことは、初めてでしたね」と話すのは製造Gの内藤さん。今回の開発の中心を担った職人で、この道18年のベテランです。
「それは、きれいに織れないというレベルではなくて、テープにすらならない状態で。同業者に聞き込みをして、ヒントを得てチャレンジしてみても結果は同じ。無理に機械を動かして、部品を壊してしまったこともあったんですよ」。
糸口が見つからず、一度は断念したという内藤さん。しかしその4ヶ月後、内藤さんは再び動き出します。
「いろいろ織っていくうちに、分かってきたことがありました。袋とじ織りだと思っていたのが実は複雑な綾織りだったこと、ゴムが切れないように厚みを出すには、ゴムのテンションが重要なこと。ゴムのテンションを緩めれば厚みは出ますが、緩すぎると織れないんです」
このほか、厚みを出すためにタテ糸の太さを変えたり、硬さを出すためにヨコ糸の数を調整したり。これらがいい塩梅でセッティングできたとき、はじめてテープが織り上がるといいます。
ようやくテープの形になったのは、現場に張り付いて1ヶ月後のことでした。
「ゴムの状態や季節で違いがでるかもしれませんが、このテンションで織り付ければこの厚みがでるという数値は出せたので、今後は安定した製造が可能です。あきらめずに挑戦して、ほんとうによかったです」
問屋さんがこのテープを海外の取引先に提案したところ、評判がよかったという報告を受け、ホッとしている内藤さん。
「ストレッチベルトはカラフルに仕上げることもできます。たとえば、こちらは残糸を30色集めて織ったものです。サステナブルファッションのひとつとして普及していくといいなと思います」
ストレッチベルトのサンプル帳も完成したので、ご要望があればすぐにお応えできます。また、今後はストレッチベルトを使った自社商品も開発予定です。SNS等で順次ご報告していきます!
〈ストレッチベルト製品情報〉
素材|側:ポリプロピレン(PP)、芯:ゴム
サイズ|厚み2.5mm、幅30mmと38mmの2パターン(幅のアレンジは可能です)
展開色|黒、5.ベージュ、13.オレンジ、21OD、30.紺