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【Vol.005】 June.8.2022
糸からテープをつくり、加工して完成品へ。「一貫生産」だからできること

私たちが作るテープは細幅織物という“織物”ですが、何百もの糸が組み合わさってテープになること、特殊な加工をほどこしてテープ製品になることはあまり知られていません。そこで今回は、生産工程について少しだけご紹介させていただきます。

まずは、糸の素材や作りたいテープの厚さなどに応じて、調達した糸をそのまま使うか、「撚糸(ねんし)」するかを決めます。撚糸とは、複数の糸をねじり合わせること。回数や方向を工夫してねじることで糸は丈夫になり、加えて風合いや肌触りにも個性が生まれるのです。

次に、糸を「ワインダー機」にかけ、糸を小分けにしていきます。なぜ小分けにするのかというと、小ロット生産に対応するためです。お客様の細かなオーダーに応えられる小ロット多品種のものづくりは、私たちが大切にしていることのひとつ。糸を小分けにすることで、必要な数量のテープを無駄なく生産できるようにしています。

本橋テープでは、1つのテープを作るのに平均200本、高密度のものだと500本以上のタテ糸を使います。この数百におよぶ糸を「クリル」という棚に並べ、そこから糸を1本ずつ「中間機」へと引っ張り、「織機」のオサ(櫛のような部分)に通していきます。この作業を「織り付け」といい、テープの組織と仕上がりを決めるとても重要な工程。そのため、すべて職人の手作業で行います。

複雑なテープの場合は、織り付けだけで2〜3日かかることも。織り上がったら仕上げ機で整え、円盤状に巻けばテープの完成です。

テープを裁断して縫製、溶着などの加工をほどこし、完成品にまで仕上げられるのが本橋テープの大きな強み。自社に加工部門をもうけ、一貫生産できる体制を整えています。

たとえば、やさしい肌触りになるように、テープの切り口やつなぎ目を覆うようにかがり縫いで仕上げたり、「超音波カット機」で穴を開けたり、「超音波溶着機」でテープをくっつけたり。「シルクプリント」や「昇華転写」でテープに柄をつける、「カシメ・ハトメ機」を使って金具を取り付ける、なんてことまで自由自在。

自社ブランドのハンモックチェアやバッグなどは「機織り機」で、一つひとつ手作業で編んでいきます。チェア用の生地を編むのは1日がかりですが、その分美しい編み目に仕上がります。

本橋テープは、全国でも数少ない一貫生産できるテープメーカーです。最初から最後まで自分たちで作ることで、世の中にただ1つのテープやテープを使った完成品を生み出します。テープにかかわることは、きっと何でもできる。「こんなこともできる?」というご相談は大歓迎です。一貫生産を活かす営業部門のスタッフがきちんと対応させていただきます。ぜひお気軽にお声がけください。