『伝承する人と学ぶ人 後編』
本橋テープのはたらく人たち第2話は、製造グループ所属の林田ゆかりさん(26)。ベーカリーでの接客業を経て、2018年10月に入社しました。
技術職に転身した理由を尋ねると、「接客の仕事でしたが人見知りで、うまく話せないのがストレスでした。自分にはこつこつとした作業が向いているんじゃないかと思って製造の仕事に。本橋テープに決めたのは、面接のときに見せてもらった職場の雰囲気がよかったからです」と話す林田さん。
テープ製造と聞いて、当初はセロハンテープを作ると思っていたという林田さんですが、今や我が社の製造Gのホープです!
「入社して驚いたのが、テープが糸から出来ていること。そして、糸を織機へと引っ張ってセッティングする“織り付け”という作業が、とても重要で難しいことを知りました。真っ直ぐなテープが出来ることは、当たり前じゃないんです」
林田さんは自発的にさまざまな工程に挑戦しています。その技術を伝承し見守るのが、当社で最も長いキャリアをもつ加藤さん。林田さんが師匠のように尊敬する熟練技術者です。「ものづくりの現場は、ベテランとか若手とか関係なく協力し合うことが大事」と加藤さんは言います。
「昨年から簡単な織り付けをやらせてもらっていますが、まだ全然うまくいきません。1時間くらい一人で粘ってもうまくいかないときに加藤さんにヘルプを出すと、ほんの10分で完璧なテープが織り上がって!もう、私は驚くばかりです」
素材となる糸は長繊維と短繊維というものに分かれ、短繊維は短い糸を撚って1本にしていることから毛羽が立ちやすく、その分風合いに個性が生まれるのですが、糸を引っ張るときに絡まったり切れたりするなど扱いが難しい側面も。「この短繊維の織り付けを一人で最後までできるようになるのが今年の目標です!」と林田さん。力強さを感じます。
「何にも知らなかった私が、今少しずつできることが増えてきているのは、周りの人たちが優しかったからです。面接のときもそうでしたが、ちゃんと耳を傾けて答えてくれること。製造Gでは私が一番下っ端で、世代的にも上の人が多いんですけど、自然に話すことができるので、毎日が楽しいです」
加藤さんが言う「協力し合うことが大事」ということが、製造現場にしっかり息づいていることがわかりました。
「加藤さんをはじめ、先輩方の仕事はすごく早くてきれいなので、自分も早くそこに行き着きたいです。それと、負けず嫌いな気持ちもあって。最終的には皆さんを越えて、頼られるような職人になりたいです」と林田さん。加藤さんも追い越して?と尋ねると、照れながらも頷く林田さん。真っ直ぐな向上心と挑戦心を感じます。隣にいる加藤さんも嬉しそう。
自身を人見知りと言う林田さんですが、当社が2015年からワークショップを出店している『ACO CHiLL CAMP』では、自ら進んで本橋テープブースの運営スタッフに。「たくさんの人に本橋テープのことを知ってほしいと思って運営スタッフに立候補しました。話すことはやっぱり得意じゃないですけど…今は知りたいことや伝えたいことがたくさんあります」
陽の光を受けて芽吹く若葉のように輝く林田さんは、本橋テープのこれからを明るく照らしてくれているようでした。
次回は、加工グループで活躍する若手女性社員の小谷さんの仕事風景をお届けします。お楽しみに♪