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【Vol.013】 October.14.2022
こんなとこにも!テープを使ったアイテム
命を守る「ハーネス」

お家のなかで、身の回り品のなかで、果ては海底や宇宙で使われる道具にまで。テープはいろんなところで暮らしを支えていますが、普段意識することって少ないですよね。ここでは、そんなテープにスポットを当て、テープの面白さをお伝えしていこうと思います。

今回注目するのは、高所作業時の必需品「ハーネス」。テープが主役のアイテムです!

ハーネスに使われるテープの素材は、主にナイロンかポリエステルです。ナイロンは熱変化しやすく伸び縮みする性質をもつ一方で、ポリエステルは熱変化が少なく、伸縮性の低い素材。

どちらかというとナイロンが採用されることが多いですが、このハーネス(他社さんの製品)には、ポリエステルが採用されています。

テープの素材の違いがハーネスにどう影響するのかというと、たとえば夏のかんかん照りの日、ナイロンの場合は湿度によって縮んだり緩んだりする可能性があります。気候に合わせて都度調節しなければならない点は、デメリットといえるかもしれませんね。

一方、ポリエステルの場合はそのようなことが起こりにくいです。ただ、伸縮性が低いということは、身体に負荷がかかりやすいともいえます。着け心地はナイロンのほうがよく、長時間の作業でも疲れにくいハーネスを作ることができるでしょう。

ちなみに、ポリエステルもナイロンもトン単位の強度があるので、安全性は十分!

テープの織りには、綾織りが採用されています。綾織は柔らかい質感を出せるので、身体へのフィット感を考えて選ばれているのかもしれません。また、密度も濃いですね。テープは高密度になるほど強さを発揮します。

身近なものでいうと、車のシートベルトによく似ています。シートベルトもポリエステル+綾織りで作られているんですよ。

テープ製品において最も弱点になりやすいのが縫製部分です。しかし、さすが命を守るハーネス、かなり丈夫に縫われています。太い糸でジグザグ縫われているここは「閂止め(かんぬきとめ)」という縫製方法が採用されていますね。

金具も特徴的で、この形状は初めて見るタイプです。ハーネスのテープを作るメーカーさんは、縫製や金具との相性も考え、ハーネスメーカーさんとよく話し合って製造されていることが想像されます。

テープ業界は大きく分けて、アパレルに強い会社と産業資材に強い会社に分かれますが、本橋テープはどちらかというとアパレル寄りの会社です。

これまでに、チャイルドシートのベルト、馬具の手綱、防弾チョッキのテープなどの製造実績はありますが、経験のない業界はまだまだたくさんあります。

今回のように、他社の優れた産業資材系のテープを見ていると、強度を追求したテープづくりにも挑戦してみたくなってきます!